パソコミ誌『あ』の電脳版

猿若句会直近の[例会特選句集]、連句・友多加座の[最新巻]、私家版辞典[酷誤呆典]、掌エッセイ[信想究迷]などなど

猿若句会2019年10月例句会特選句集

(2019年10月19日)

◎=特選  ○=秀作  △=佳作

 

◎  箸使ふ国こそよけれ秋刀魚焼く  丸本 武

◎  鐘楼にしばし夕陽や萩の寺  原 健一

◎  秋時雨傘持つ人と持たぬ人  高橋 均

◎  風炉の陽に袖も乾かず秋時雨  中村呆信

◎  焼きたての秋刀魚醤油を跳ね飛ばす  佐竹茂市郎

◎  大皿に小さき秋刀魚や酒二合  大橋一火

〇  紅葉する林の奥の祠かな  柴田弘

〇  柿干して過疎の古里はなやげる  伊藤 理

〇  お茶席の懐紙しとっり秋時雨  宮島久代

〇  木犀の香に誘はれて遠回り  花柳小春

〇  秋彼岸宗派を問わぬ新霊園  中村克久

〇  一本は椋鳥のもの並木かな  川上登美枝

〇  哀れかな延命草に鵙の贄  古明地昭雄

〇  秋最中鍛えし体芝駆ける  長谷川英夫

〇  柿熟れて今も残りし屋敷林  児玉竹子

 

 

 なお、知の木々舎のブログhttp://blog.so-net.ne.jp/chinokigi/ 月前半期(1~14日)には「猿若句会秀句選」が掲載されています。