パソコミ誌『あ』の電脳版

猿若句会直近の[例会特選句集]、連句・友多加座の[最新巻]、私家版辞典[酷誤呆典]、掌エッセイ[信想究迷]などなど

猿若句会特選句集 

2020年2月15日=青梅市内吟行句会

 

◎=特選  ○=秀作  △=佳作

◎  古民家に残る寒さや土間暗し  長谷川英夫

◎  六蛙の石蛙が迎え寺うらら  中村呆信

◎  山迫る旧街道や梅が春  柴田弘

◎  潜り戸の両側飾るつるし雛  児玉竹子

◎  奥多摩やなべて老梅天を指す  丸本 武

〇  閉店の張り紙二枚春愁  花柳小春

〇  良く通る読経の寺や梅満開  川上登美枝

〇  春がすみ小手を翳して向う岸  宮島久代

〇  古樹に咲く白梅の先白い蔵  原 健一

〇  春めきて昭和レトロの青梅宿  高橋 均

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[ひとこと] 今月は青梅市内に吟行を行ないました。上掲がその成果です。十人が同じ場所を作句目的で廻ったわけですが、不思議なものです。前々月・前月で話題にした類句がまったくなかったことです。たとえば同じ臥龍梅を対象にしていながら微妙に視点が変わるものです。意識をしなくとも作句への気迫が動いてのでしょう。話は変わります。猿若句会は毎年二期にわけて特選句を選んでいます。‘19下半期特選句がきまりました。今期は票が割れて[一席 晩鐘に昼顔花を閉じにけり 弘道][同一席 譲られし席に着ぶくれ納めけり 均][三席 どの子にも頼るあてなし鰯雲 均]でした。

◆なお、知の木々舎のブログhttp://blog.so-net.ne.jp/chinokigi/ 月前半期(1~14日)には「猿若句会秀句選」が掲載されています。