パソコミ誌『あ』の電脳版

猿若句会直近の[例会特選句集]、連句・友多加座の[最新巻]、私家版辞典[酷誤呆典]、掌エッセイ[信想究迷]などなど

8月特選句集

猿若句会2020年8月例句会(8月15日)特選句集

 

◎=特選  ○=秀作  △=佳作

◎ 桐一葉虫のかばねを覆いけり         柴田弘

◎ 夕餉にはゴーヤチャンプル敗戦忌         高橋 均

◎ 迎へ火を焚く門虚し老の街     古明地昭雄

◎ 終戦日もうこの道にもどらぬぞ         川上登美枝

◎ 逆の峰投句箱置く行者宿         中村克久

◎ 十五日何と云われょと敗戦日         中村呆信

◎ 熊蝉が箱根の関を超え来たり         丸本 武

◎ ただ祈ることが供養の終戦日          児玉竹子

○ 原爆忌まだまだ足りぬ千羽鶴         花柳小春

○ 宇宙ゴミ漂う所天の川         宮地久代

○ 敗戦日雑音多き借りラジオ         大橋一火

○ 日は西に沈思黙考生身魂         内野和也

○ 靖国に同期の顔あり終戦日         佐竹茂市郎

 

「ひとこと」今月分もですが遅れてしまいました、申し訳ありません。今月も巻頭句は弘道・次席も均と同氏が並びました。共に句意は明らかです。しかし、特選に選ばれるほどの作品でしょうか。厳しいことをかきます。共にせいぜい秀いでしょうか。当会は全て会員同士の選句で決めています。ですから恥を隠くさず云えば、自分たち会員の選句力の不足を暴露してるみたいのものですが。

話変わって、「俳句をうまくなるにはどうしたらいいですか」と、よく聞かれれます。「選句力をつけることです。そのためには他人の句を沢山読むことです。」また「自分の好きな作家を見つけることです。」つまり、自省をこめて猿若句会の会員へのメッセージです。

 ◆なお、知の木々舎のブログhttp://blog.so-net.ne.jp/chinokigi/ の月前半期(1~14日)には「猿若句会秀句選」が、同じ事由で復活再掲載を始めています。