パソコミ誌『あ』の電脳版

猿若句会直近の[例会特選句集]、連句・友多加座の[最新巻]、私家版辞典[酷誤呆典]、掌エッセイ[信想究迷]などなど

 戦争は必ず勝ち負け決まるまで  呆信

一〇〇〇字文コラム 第五話 戦争は必ず勝ち負け決まるまで 呆信 八月十五日 戦争に負けた日 確か、あの日も暑かった記憶があります。と言うか、何か妙に空気が乾ききっていたという印象だったのを覚えています。家のラジオの調子が悪かったので、大人たちは…

休題 嘘八百 んにちは、今日は7月21日です。だから、私の誕生日、つまり85才になりま した。しかし、あらためて「誕生日、おめでとう」などと言われても、応えに困 ります。子供の頃から誕生日を祝ったり何かの催しを行う習慣は全くありません。 まぁ、いず…

千字文コラム 不定期刊 ほんの少しの本当 八百の嘘 第三話です。どんな話でしょう。とにかく始めてみます。 呆信 第三話 私は勉強が嫌いでした 正直書きます。私は勉強が嫌いでした。<でした>と言う過去形は違います。本当は<今も>嫌いです。つまり、<…

千字文コラム《第二話 愛称で呼び合う家族》

ほんの少しの本当 八百の嘘 お待たせしました、第二話です。呆信 第二話 愛称で呼び合う家族 愛称の話を続けます。学区制が変更になり、通称官舎と呼ばれた曙町の最北端から染矢清一郎なる男が転校してきた。お互い勉強嫌いだが読書好きな二人が仲良くなって…

千字文コラム 不定期刊

ほんの少しの本当 八百の嘘 少しの嘘なら平気で書きます 面白ければの話 どうせ真実なんて追求できないのなら 本当らしくは書きますが 真実は不明です。当初 4月1日スタートの予定でしたが、 間にあいませんでした。月内にはオープンは出来ました。ま、いい…

千字文コラム 《第一話 オミチョバチャンとマコちゃん》

第一話 オミチョバチャンとマコちゃん 高橋金蔵・シゲ夫妻の昭和十年代(1935~1945年)は波瀾万丈だった。だとしたら信夫年尾(シノブトシヲ)・民江夫妻の十年も波瀾八千丈位だったろう。立川市仲町(現曙町)の夜店通りの高橋家。昭和八年、嫁に行った民江に初孫…

信想究迷=⁂ 呆信賞 ⁂ ◆ 闇汁の納豆にまじる柘榴かな 会津八一 ◆ 寒からう痒からう人に逢ひたからう 正岡子規 ◆ 死骸や秋風かよふ鼻の穴 飯田蛇笏 ◆ では剥いてやろ空豆の宇宙服 手島渚男 ◆ ここもまた誰かの故郷氷水 神野紗季 「解題」 私の旧ホームページ…

猿若句会特選句集

猿若句会2020年11月例句会(11月21日)特選句集 ◎=特選 ○=秀作 △=佳作 ◎ 丸 窓は「悟りの窓」や床もみじ 丸本 武 ◎ 社掃く禰宜の日課や神の留守 内野和也 ◎ 手水舎に鳩が群れてる神の留守 佐竹茂市郎 ◎ 晴れゐても影の淡かり冬ざくら 伊藤 理 ◎ 家族分干し…

猿若句会2020年10月例句会(10月17月日)特選句集 ◎=特選 ○=秀作 △=佳作 ◎ 鮭番屋鱗の光るゴム長靴 川上登美枝 ◎ 苅田道転がってゐる猫車 高橋 均 ◎ 久し振り慶事の靴を磨きおり 古明地昭雄 ◎ リハビリの父の掌に鳴る鬼胡桃 花柳小春 ◎ なかなに去なぬ苅…

猿若句会2020年10月例句会(10月17月日)特選句集 ◎=特選 ○=秀作 △=佳作 ◎ 鮭番屋鱗の光るゴム長靴 川上登美枝 ◎ 苅田道転がってゐる猫車 高橋 均 ◎ 久し振り慶事の靴を磨きおり 古明地昭雄 ◎ リハビリの父の掌に鳴る鬼胡桃 花柳小春 ◎ なかなに去なぬ苅…

8月特選句集

猿若句会2020年8月例句会(8月15日)特選句集 ◎=特選 ○=秀作 △=佳作 ◎ 桐一葉虫のかばねを覆いけり 柴田弘道 ◎ 夕餉にはゴーヤチャンプル敗戦忌 高橋 均 ◎ 迎へ火を焚く門虚し老の街 古明地昭雄 ◎ 終戦日もうこの道にもどらぬぞ 川上登美枝 ◎ 逆の峰投句…

猿若句会2020年7月例句会(7月18日)特選句集

猿若句会2020年7月例句会(7月18日)特選句集 ◎=特選 ○=秀作 △=佳作 ◎ 階を蟻が追い越す老の足 柴田弘道 ◎ 電線の影さへえ拾ひゆく暑さ 高橋 均 ◎ 霧雨や蜘蛛の巣白し庭の朝 原 健一 ◎ 献灯の仄と揺れをり宵の宮 児玉竹子 ◎ 見ても見ぬ振りして見たる裸体…

猿若句会2020年6月例句会特選句集 (2020年6月20日) ◎=特選 ○=秀作 △=佳作 ◎ 上水に刻の流れや桜桃忌 中村克久 ◎ 焼き鯖に若狭小浜の風を嗅ぐ 花柳小春 ◎ 女郎蜘蛛有明月を捕えおり 古明地昭雄 ◎ 短夜や夢と現が入り乱れ 中村呆信 ◎ 明易や友の妻より来…

休載のお報せ 猿若句会 四月例会はコロナ禍による緊急宣言のため休会にしました。 これに応じて秀句選のぺーじも休載になりました。

猿若句会特選句集 2020年3月例会(2020年3月21日) ◎=特選 ○=秀作 △=佳作 ◎ 銀翼が貫く空や夕霞 古明地昭雄 ◎ つくしんぼ大地貫く力みせ 柴田弘道 ◎ マイペース貫き通し卒業す 佐竹茂市郎 ◎ 初恋を貫き成就花前に 宮島久代 ◎ 閃光を貫く速さ春の雷 児玉竹…

猿若句会特選句集 2020年2月15日=青梅市内吟行句会 ◎=特選 ○=秀作 △=佳作 ◎ 古民家に残る寒さや土間暗し 長谷川英夫 ◎ 六蛙の石蛙が迎え寺うらら 中村呆信 ◎ 山迫る旧街道や梅が春 柴田弘道 ◎ 潜り戸の両側飾るつるし雛 児玉竹子 ◎ 奥多摩やなべて老梅天…

猿若句会特選句集 2020年1月例句=初句会­ ◎=特選 ○=秀作 △=佳作 ◎ 初鏡ますます母に似てきたりく 川上登美枝 ◎ なずな這う荒畑はるか富士の山 原 健一 ◎ 煮凝や話せば長き後日談 丸本 武 ◎ 初詣願いの風が絵馬鳴らす 古明地昭雄 ◎ 東山昏れて祇園の初灯 …

猿若句会特選句集 Ⅱ-4 2019年12月例句会(2019年12月21日) ◎=特選 ○=秀作 △=佳作 ◎ どの子にも一つは台詞聖夜劇 伊藤 理 ◎ 譲られし席に着ぶくれ納めけり 高橋 均 ◎ 語尾濁し葬の挨拶年の暮 児玉竹子 ◎ 恙なく只恙なく柚子湯浴む 内野和也 ◎ 一つ程小さ…

猿若句会句会特選句集

2019年11月例句会 (2019年11月16日) ◎=特選 ○=秀作 △=佳作 ◎ 金粉は盃の底恵比須講 中村克久 ◎ 整然と薪積み終えて山眠る 佐竹茂市郎 ◎ 晴れゐても影淡かりし冬ざくら 伊藤 理 ◎ ふるさとは西に海あり山眠る 高橋 均 ◎ 小春日に輝くティアラ背伸び見る …

猿若句会2019年10月例句会特選句集

(2019年10月19日) ◎=特選 ○=秀作 △=佳作 ◎ 箸使ふ国こそよけれ秋刀魚焼く 丸本 武 ◎ 鐘楼にしばし夕陽や萩の寺 原 健一 ◎ 秋時雨傘持つ人と持たぬ人 高橋 均 ◎ 風炉の陽に袖も乾かず秋時雨 中村呆信 ◎ 焼きたての秋刀魚醤油を跳ね飛ばす 佐竹茂市郎 ◎ …

猿若句会2019年9月例句会特選句集

(2019年9月21日) ◎=特選 ○=秀作 △=佳作 ◎ 首筋に後れ毛繋り秋日傘 児玉竹子 ◎ 種バレの二時間ドラマ見る夜長 丸本 武 ◎ 台風の暴れし跡の闇深し 長谷川英夫 ◎ 心配の種は尽きねど南瓜煮る 宮島久代 ◎ 新涼やイエスは永遠に首をたれ 中村克久 ◎ 追加して…

猿若句会2019年8月例句会特選句集

(2019年8月17日) ◎=特選 ○=秀作 △=佳作 ◎ ロシア文字溢るる島の墓洗ふ 丸本 武 ◎ どの子にも頼るあてなし鰯雲 高橋 均 ◎ 田の神に一献捧ぐ秋祭 中村克久 ◎ 大太鼓初御披露目の秋祭 児玉竹子 ◎ 叱られて上眼づかいに蜻蛉見る 宮島久代 ◎ ソーダ水透けて…

テスト版 呆信の俳句です

蟷螂の 斧振り上げて 虚仮威どし